雨が降っていたので傘をさして店に向かった。
家を出て2~3分歩いたところで、リュックがやけに軽いことに気がついた。
パソコンを忘れていた。
家に取りに帰る。
パソコンをリュックに入れて家を出ようとしたとき、店の鍵を忘れていたことにも気がついた。
パソコンと鍵を忘れていたのだった。
パソコンを忘れていなかったら、鍵を忘れていたことに気がつかなかったかもしれない。
店に入れずにまた家に戻って来ることになったかもしれない。
そう思うと、良かったのやら悪かったのやら。
ところが、引き出しには鍵がかかっていた。引っ張る角度を変えてみたり、揺すってみたりしたが無駄だった。
出典:小川洋子『沈黙博物館』
気を取り直して再び店に向かう。
途中で雨は止んでいた。
同業者がふたりお見えになった。
それぞれ立場は少しずつ違うけれども、本に携わっているという点では同業と呼んで差し支えないだろう。
横のつながりが広がるのは良いことなので、このような来店もうれしい。
夕食の餃子がきれいに焼けた。
きれいに焼けた餃子は味も良い。
食後に読んだ小川洋子『沈黙博物館』に野球観戦をするシーンが出てきた。
「男の子は誰だって、野球から人生を学ぶものでしょ?」
「その通りだ、お嬢ちゃん」出典:小川洋子『沈黙博物館』
『シュガータイム』にも主人公たちが野球観戦をするシーンがあったことを思い出した。
小川洋子は野球が好きなのかもしれない。
やはり阪神ファンなのだろうか。