昼過ぎ、若い男性が店に来た。
原チャリを店の前にとめて店内に入ってきた。
大学生だろうか、もしかしたら4月からの新大学生かもしれない。
いずれにせよフレッシュネスが溢れ出ていた。
若い男性は割と珍しいし、原チャリで来たお客さんはおそらく初めてなので印象的だった。
そしてなによりもうれしかった。
なんと形容したらよいのかこんな今どきの若い子が、本が好きで、自分の店をどこかでみつけてくれて来てくれた。
しばらく吟味して本を買ってくれたことがなによりもうれしい。
若いころの自分を重ね合わせてみていたのかもしれない。
海外の文学と哲学系の本を一冊ずつ買ってくれた。
会計時に声をかけようか迷ったが、遠慮してしまったことを少し後悔している。
また来てくれることを願っている。
【読書日記】2024.3.17(日)みんなで読む
店で読書会を開催した。
課題本は太宰治『人間失格』。
ひとつの本をみんなで読み、感想を語り合う。
すばらしい体験だ。
参加者それぞれの視点を借り世界を広げることで、ひとりで読むだけでは辿りつけないところへいける。
読書会の醍醐味を味わうことができて幸せだ。
そして今日は娘の誕生日でもあった。
4歳になった娘は、とても楽しそうだった。
今日は私以外の家族みんなでドラえもんの映画を観に行ったそうだ。
娘は初めての映画館。
映画泥棒が怖かったと言っていた。
家族もみんな楽しそうだったのでうれしい。
みんなでケーキを食べた。
コロナ禍に突入し、いろんな混乱のなか生まれてきたあの日からもう4年が経つのかと、プレゼントであげた絵本を読んでいる娘をみながらコーヒーを飲んだ。
【読書日記】2024.3.16(土) 並べる
入荷を捌いて、棚に並べる。
少しレイアウトを変える。
この作業をやっているときが一番楽しいかもしれない。
あのお客さんを想像しながら、あるいは未だ見ぬお客さんを想像しながら本を並べる。
この本もあの本も読みたいなと思うのだけれど、思ったより時間が取れず全然読めない。
それでも楽しい。
【読書日記】2024.3.14(木)
確定申告と格闘する一日。
【読書日記】2024.3.13(水) 文庫
文庫本がけっこう好きなので、店にも文庫本を多めに在庫している。
昨今、本の価格も上がってきていることもあり、文庫本であればまだ比較的手に取りやすいと、読者としての自分も思う。
なんでもかんでもというわけにもいかないから、これはと思うものを選りすぐって置いているつもりだ。
今日は、文庫本をまとめて何冊も買ってくれたお客様がいた。
選んだ本のラインナップもなかなかに渋い。
まさに自分が思い描く理想の選び方をしてくれたような感じだった。
その中に自分の好きな一冊も含まれていたので、なおの事うれしい。
ポケットに文庫を突っ込んで、出かける先でサッととりだしてクールに読む姿が目に浮かぶようだ。
【読書日記】2024.3.12(火) 休む
定休日。
朝、娘を幼稚園へ送っていく。
道中、しりとりをしながら歩いた。
幼稚園に送り届け、帰宅後、部屋の掃除をする。
ちょっとした用があったので店に行き、ついでに別の本屋に行ってみた。
2~3週間前に行った時と棚もずいぶん変わっていたので、やはり回転が速いんだなと実感する。
押し寄せてくる新刊の濁流に押されるように回転しているんだろうなと。
家に帰り、『東京都同情塔』を読む。
私はカタカナをデザインした人間とは酒が飲めない。美しさもプライドも感じられない味気ない直線である上に中身はスカスカで、そのくせどんな国の言葉も包摂しますという厚顔でありながら、どこか一本抜いたらたちまちただの棒切れと化す構造物に愛着など持てるわけがない。
九段理恵『東京都同情塔』
そういえば今日は九段理恵氏の新作の発売日だった。
地方である当地の本屋にはまだ入荷していなかった。
「BRUTUS」のJAZZ特集を読んだりしながらだらだらと過ごす。
休日っぽいと言えば休日っぽい過ごし方だ。
そうこうしているうちにお迎えの時間になったので、迎えに行く。