カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.7.15(土) 「判決」

昼、くら寿司に行く。
回転寿司は昼間に行くほうがよい。
夜になるとフェアのネタが切れてたりするので、昼のほうがよい。
デザートに食べた冷やし白玉しるこがひんやりして美味しい。
あんこはどの温度帯でも美味しいのだなと知った。

家に帰ってからは、ぐーぐー昼寝をした。
本を読む合間に寝ているのか、昼寝の合間に本を読んでいるのかわからなかった。

読んでいたのはカフカの「判決」。
20ページほどの短い短編も、一気に読み通せないほど眠たかったようだ。
主人公のゲオルクは若い商人で、年老いた父親と商売を営んでいる。
逃げるようにロシアに移り住んだ友人に定期的に手紙を書いているが、ロシアでの生活がうまくいってないらしい友人を気遣って、内容は他愛のないことばかり書くようにしている。
ゲオルクは資産家の娘と婚約したことを手紙に書くかどうか迷った末、他人の口から知られるよりはいいだろうと判断し、婚約のことを書く。
そのことを父親にも告げる。
すると、いきなり説教モードが発動した父親はゲオルクに対し激昂し始める。
ロシアにはそんな友達がいるはずがないと嘘つき呼ばわりをしたかと思えば、何年も前から父親とその友人はつながっており、婚約のことも知っていると言う。
さらにはゲオルクのその友人に対する態度は偽善的であると責め立てる。

「わかったか。おまえの知らない世間があるのだ。これまでおまえは自分のことしか知らなかった。もともとたしかに無邪気な子どもだった。だがじつはな、悪魔のような人間だったんだ。——だから、よく聞け。これから判決をくだしてやる。おぼれて死ぬのだ!」

引用元:カフカ「判決」(光文社古典新約文庫『変身 / 掟の前で 他2編』所収)

家を飛び出したゲオルクは走って川へ向かい、そのまま飛び降りて死んでしまう。
なんとも後味の悪い短編であった。
自分の中の罪の意識をどこかで感じていたからこそ、父親に暴かれたことが引き金になり死を選ぶという結末なのだろう。
カフカは自身の文学的な転機となるこの作品を一晩で一気に書き上げたという。
自身の父親との関係も、作中の父親象に反映されていることを思うと絶望名人たる所以を見た気がしてくる。


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