カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.7.16(日) サンフレッチェ

スタジアムのうねりを感じた。
Jリーグ第21節、サンフレッチェ広島横浜FC戦をホーム、エディオンスタジアムで観戦した。
連敗が続き、さらに追い打ちをかけるように監督を始め体調不良の選手が続出し、ユースの選手までがベンチ入りをせざるを得ない状況になった前節、チームは一丸となり勝ち点1をもぎとった。
主力選手が戻ってきた今節、再び優勝争いへ食い込むために勝ちたい局面だ。
前半は攻めあぐねていたものの、後半からはペースをつかみ、攻撃を仕掛ける。しかしなかなかチャンスを演じることなく時間が過ぎていく。
じりじり試合終了が近づいてきた86分、横浜に先制点を許してしまう。
終わったと思った。
だがサンフレッチェの選手たちはあきらめてはいなかった。
アディショナルタイムは7分。
選手だけでなく、観客の誰もが思ったに違いない。
まだいけると。
そこから守りに徹した横浜に対する波状攻撃がはじまった。
そのときは来た。
94分、横浜のゴールキーパーコーナーキックをキャッチしたボールを蹴ろうとフィールドに置いた。
その瞬間、キーパーの背後から忍び寄る一人の忍者。18番柏。
ささっと泥棒猫のようにボールを奪いパスを出す。
ピエロス・ソティリウがゴールに蹴り込み同点。
スタジアムの温度は一気に沸点に達した。
狂喜乱舞。
有頂天外。
そして、また同じように祈ったはずだ。
あと1点いけると。
残りの3分間、スタジアムはひとつになった。
歓声とチャント(応援の歌)と手拍子はひときわ大きくなり、何かがスタジアムを支配していた。
選手、スタッフ、サポーター。
ひとりひとりの熱が熱を呼び、大きなうねりが生まれていた。
サンフレッチェは攻め続けた。
最後の1秒まで攻めた。

結果的には同点で終わった。
しかしあの数分間、間違いなく何か大きなものの力が働いていた。
サッカーの神様がもしもいるのなら、あの瞬間、エディオンスタジアムをチラッと覗いていたに違いない。
貴重な勝ち点1をありがとう。


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