カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.7.18(火) 「掟の前で」

子どもたちが学校に行くと、家の中が静かになり平和が訪れる。
しかしこの平和もあと3日しか続かない。
あー夏休み。
ちょいと泳ぎ疲れ 胸にcool baby。

話題のジブリ映画『君たちはどう生きるか』を観てきた。
パンフレットは後日発売。
グッズもポスターしか売ってなかった。

明日は芥川賞の選考日。
候補作、ぜんぶは読み切れなかったが予想をしておこう。
乗代雄介『それは誠』。
どうだろうか。

学校から帰ってきた息子氏が、明日の生活科の授業で使うしゃぼんだま用のストロー、もしくは普通のストローが必要だと言う。
もっと早く言ってほしい。
息子に言ってるのではない、学校に対してだ。
普通のストローくらいは家にあるだろうということかもしれないが、我が家にはない。
前日の夕方に言われて買いに行けるほど暇じゃないのだ。
行ったけど。

早川書房が新書のレーベル、「ハヤカワ新書」を作ったようだ。
その創刊のラインナップの中に滝沢カレンの著書があっった。
滝沢カレンをSFあるいはミステリー作家としてフューチャーするとは、さすがにセンスが良すぎるだろう。

カフカ「掟の前で」を再読。
ある男が田舎からやって来て、門の中に入れてくれと頼む。
門には門番がいて、いれてやるわけにはいかないと言う。
入れてやってもいいが、門の奥には門が続いていて自分よりも強い門番がいると言う。
結局男は門の中に入れず、何年も経ってしまう。
そして門番に聞く。
なぜ自分以外に誰も入ろうとするものがいないのかと。
門番は答える。
「この門は、おまえ専用のものだった」と。

なぜ男は門に入らなかったのだろう。
入れなかったのだろう。
門番は「入ってみたらどうだ。おれの制止を無視して」と言った。
入ろうと思えば入れたはずだ。
主人公の男の姿は、夏目漱石『門』の宗助と重なる。

彼は門を通る人ではなかった。又門を通らないで済む人でもなかった。要するに、彼は門の下に立ち竦んで、日の暮れるのを待つべき不幸な人であった。

引用元:夏目漱石『門』(新潮文庫)

果たして自分は門を通ることができるだろうか。
夏の夜は長い。


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