カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.5.10(水) 最近、卵が高いですよね

最近、卵が高いですよね。
というニュアンスを「で・ある調」や文語、書き言葉で出したいときにふさわしい文章がみつからない。

「最近、卵が高い」では、単なる事実または「私」の感想に過ぎず、同意を求めるニュアンスが出ない。

「最近、卵が高いね」だと口語、話し言葉なのでやはり違う。

「最近、卵が高いよね」も同上。

「最近、卵が高くて嫌になる」はどうだろう。言いたいことはこういうことなのだが、「高いですよね」に含まれる「嫌になるよね、あなたもきっとそうなんじゃない?」感までは表現できない。

結局、「最近、卵が高いですよね」を書き言葉で表現することは無理なんじゃないかと思う。
「です・ます調」と「で・ある調」にはトーンの違いだけでなく、表現内容までをも包含した違いがあるように思う。
誰に向かって書いているのかという問題だろうか。
「です・ます調」の場合、目の前のあなたに向けて、まさに語りかけるように書いている感覚だ。
対して「で・ある調」はもっと広く、第三者までに読まれることを想定し、そこに文章を置いているような感じか。
いずれにしろ「です・ます調」から「で・ある調」への変換は困難なことに思える。

というようなことを考えていたら、とある本を思い出した。
『日本語からの哲学 なぜ〈です・ます〉で論文を書いてはならないのか? 』(平尾昌弘著 晶文社)だ。
晶文社のwebサイトで概要を確認してみると、答えがありそうな気がしたので今度読んでみることにする。


本題は「です・ます調」に関してではなくて、「卵が高い」方にある。
昨今の高騰により、卵が買いづらくなっている。
生活圏の中にあるスーパーではだいたい1パック300円くらいだ。
こうなる前は200円でおつりがきて、特売日では100円くらいで買えたように記憶している。
鳥インフルに物価高もあいまってのダブルパンチで、しょうがないと言えばしょうがないのだけれども庶民泣かせであることは間違いない。
それでたまには違うところで買ってみるのもいいかと思い、家から少し離れたところにある農場の卵直売店に行ってみた。
プレハブみたいな店舗の前に卵の自販機も設置されていて、気になっていたのだ。
商品のラインナップはいくつかあって、今回購入したのは400円のもの。
数えてみると13個入っていた。
1個当たりの価格は33円と、その辺のスーパーで買うものとほぼ同じ。
エサにも水にもこだわった産地直送の新鮮な卵だということを考えれば申し分ないだろう。
期待が膨らむ。

玉子焼きを作ってみた。
卵を手に取った段階でいつもと違った。
デカいし重たい。
ずっしりしている。
ボウルに割る。
身がつやつやしている。
溶く。
滑らかに溶けていく。
焼く。
火の入り方もきれい。
いつもと同じ火加減でも薄い生地が焦げつくことなく、ムラなく火が通る。
必然としてきれいに巻ける。
そして卵液の投入も4回までいけた。
従来は3回なので、1回分多い。
大きさの違いを実感する。
感謝の念を抱きながら、美味しくいただき、満足感を覚えたのであった。


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