カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.4.20(木) 『信用』

この本読んでみたいんやけど、一回読むだけで十分やしなー。
買うのもあれよなー、でも読みたいんよなー。
と思う本のジャンルがある。
タレント本だ。
あまり公言しないがけっこう好きで、ちょくちょく読む。
面白く読めるけど、ずっと手元に残しておきたいとまではならない。
事実、本棚を見渡してみても、タレント本は一冊もない。
買っては読んで、読んでは売って、また買っては読んで、読んでは売ってを何十回と繰り返してきた。
結局そうなることは予めわかっているのだけれど、やっぱり読みたくなってしまうからしょうがない。
今まではそう思ってやってきた。
やってきたところで、やっと思った。もうやめようと。
こんな関係ははお互いのためにもよくない。
もう終わりにしよう。
BGMに小田和正でもかけたいところだ。

ところが頭ではそう思っていても、心はそうはいかないのが人間だ。
理性が許しても、感情が許さない。
本屋で見かけるたびに気になってしまう。
会計を済ませ店を出るときに、どうしても後ろ髪を引かれてしまう。

「だったらこう考えてみてはいかがですかね?」
内なる声が聞こえてくる。
「割り切ってみるのです。急に関係を断つのはむずかしいでしょう。関係を清算するには時間が必要です。納得のいくときがくるまでは、割り切りの関係ということで手を打てやしませんかね」
内なる自分はいつも雄弁だ。
「まああれですよ、ゆきずりの関係とでもいいましょうか。一夜限りの。大人の嗜みとして付き合ってみるというのはどうでしょう」

まあそれも悪くないなと思うことにした。
図書館の活用である。

どうせ一度しか読まぬのならば、図書館で借りればいい。
そんな当たり前のことにようやっと気づいたのが、数週間前のこと。
さっそく図書館のウェブサイトの新着の中から、めぼしいタレント本を何冊か予約した。
天災と予約本は忘れた頃にやってくる。
この鉄則通り、予約本確保のメールを受信したのが一週間前。
取り置き期限の今日、慌てて借りに行ったのが入江慎也著『信用』だ。
多様な人脈を活かし多方面で活躍していたが、その多様さゆえにいわゆる「闇営業問題」で吉本興業から契約を解除されたお笑い芸人だ。
入江氏が街かどでナンパをしている映像を一度みたことがある。
道行く人すべてに次から次へと声をかけていく様子は、さながらシャンパンの泡のようだった。
そしてそのほとんどすべて断られるか、無視されていた。気持ちのいいくらいに。
「闇営業問題」で解雇されたというニュースをみても、特になんとも思わなかったくらいにしか私は入江氏のことを知らなかった。
ただ、なんとなくあのナンパの映像の記憶があったので借りてみた。
表紙にはデッキブラシとバケツをもち、清掃業のユニフォームらしきポロシャツを着た入江氏が立っている。
プロフィールを確認すると、解雇から一年後の2020年に清掃業の会社を起ち上げたらしい。
本書は一連の騒動を振り返り、そこから考えたこと、感じたことをもとに新たなスタートを切ったこれからの人生含め、信用という切り口で語る物語だ。
と想像した。
なんせ、まだ「はじめに」しか読んでいないのでよくわからないが、まあそんなところだろう。


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