カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

ゆるい繋がりを繋げる糸は、想像以上に強い糸かもしれない

サボテンをみて思ったこと

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私はホームセンターが好きで、用もないのに訪れては店内を物色して時間を過ごすことが多い。

何も買わないときもあれば、大して欲しくもないものを衝動的に買っては置き場に悩むなんてこともしばしばあって、なんとも困った性分なのである。

 

ホームセンターの中でも好きなのが園芸コーナーだ。

自宅の庭に、あの花やこの花を植えて、こちらの一角には家庭菜園コーナーを設けて、土にはこだわっていいやつを・・・なんて考えて我に返る。

我が家は賃貸で庭などついてないじゃないか。

せまいベランダでは、せいぜいプランター山野草を育てるくらいがいいところだろう。

 

ある日、いつものように妄想にふけっているうちに、ふとサボテンが目にとまった。

なんてことはない普通のサボテンである。

まだ花もない、小さな鉢に入った手ごろなサボテン。

サボテンを見たのと同時にある女性を思いだした。

 

さぼってんさん(@sabotte4141)である。

 

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意識していなかったが、私の脳内で「サボテン=さぼってんさん」という図式が成立していることに気が付いた。

わたしとさぼってんさんのをつなぐのは「はろこみ」という存在である。 

 

「はろこみ」について

「はろこみ」とは、Voicyのパーソナリティでもあるワーママはるさん(wa_mamaharu)をハブとしたコミュニティだ。

 

コンセプトは「ゆるい繋がり」。

 

現役ワーママ(ワーママだけではない)を中心にお互いの知見や経験を持ち寄り、オンライン・オフライン問わずに日々情報交換やイベントを行っている自律分散型のコミュニティ。

 

育児や仕事、家庭やキャリアなど同じような悩みや関心ごとを持つ仲間たちが集う、心理的安全性とgiveの精神のもとに成り立っている場所、それが「はろこみ」である。

 

そんな「はろこみ」に私もさぼってんさんも参加しているというわけだ。

 

心理学的観点から

これを書いてる時点で、はろこみに参加してから約5か月が経とうとしている。

その間に私はサボテンをみるとさぼってんさんを思いだすようになっていた。

 

これは心理学的に言うとおそらく、単純接触効果パブロフの犬的条件反射みたいなことで説明ができるのではないかと推量する。

 

つまり、何度も何度もさぼってんさんの名前そしてアイコンのサボテンの写真を目にするうちに、サボテンからさぼってんさんを連想するようになり、かつ好意まで抱くようになったということだ。

ここでの好意というのは人間としてのという意味だ。

誤解なきように。

 

さぼってんさんとの関係性

私は心理学の専門家ではないし、この現象を説明するのにもっと適した理論は他にもあるかもしれない。

ただ、実際そんなことはどうでも良くて、ここで言いたいのはサボテンをみるとさぼってんさんを思いだすという事実だ。

書籍の編集をしていて、シンガポールに移住し、娘さんのオンライン授業を横でみながら、娘さんが恋心を抱いている同級生の子に自分が夢中になってしまっているチャーミングなさぼってんさん。

知らず知らずのうちにさぼってんさんの人となりを自分なりに構築していることに気がつくのである。

これはひょっとして本当に恋なのかもしれない。

だとしたら誤解するなという前言をすぐにでも撤回すべきだが、一旦横に置いておきましょう。

 

なんて冗談ばかり言っていると、重要な事実に思い当たる。

私はさぼってんさんと実際にお会いしたこともないし、お顔も存じ上げない。

なんならtwitterも含め、直接やりとりをしたことも記憶の限りない。

 

と思っていたら、この記事を執筆中にさぼってんさんとコメントのやりとりをするようになった。

実る恋もある。

 

恋が実ったのかどうかは別にして、この段階までさぼってんさんとの直接的なやり取りもないまま親密性が増していたという事実は変わりない。

これは正直驚いた。

 

 そしてこう思うのである。

ゆるい繋がりは、思っているよりも強い繋がりなのではないか?

私たちを繋げている糸は想像以上の強度なのではないか?」と。

 

他にも思い当たる節はある。

例えば手帳を開けばようこさん(@Yoko_and_note)を想起するし、書店で児童文学コーナーを見ると思いだすのは芦屋和音さん(@kazune_ashiya)さんだし、高田純次をみると思いだすのはくみさん(@goodbye_bonmama)だ。

高田純次に至っては、くみさんをみると高田純次を思いだすという逆転現象まで起こっている。

ぼんやりママ、おそるべし。

 

このように例をあげればきりがないくらい、私の周りにははろこみ関連の方を想起させるもので溢れている。

 

2008年4月のこと

ここで少し時間を戻そう。

2008年4月。

大学を卒業後、新入社員として会社員生活をスタートした年のある日のことだ。

私は東京都内のドトールでカフェオレ(もちろんアイス)を飲みながら、ある本を読んでいた。

 

㈱ワークライフ・バランス社、小室淑恵さんの『キャリアも恋も手に入れる、あなたが輝く働き方』という本だ。

 

細かい内容は覚えていないが、ライフとワークの好循環を生み出し人生を豊かにしようという趣旨だったように思う。

その後も小室さんは日本の働き方改革の第一人者として、女性の力をもっと有効に活用する必要があると主張され続けている。

小室さんの著書を読んで、私なりに働く女性の置かれている状況や葛藤は感じるともなく感じていた。

しかし、そこにリアリティのようなものはなかった。

新卒の22歳、男性である。無理もない。

けれどもドトールの2階で本を読んでからの12年間、どこかで引っ掛かりを感じていた。

 

再び2020年

2020年4月、今私が目の前で見ているものはあの時小室さんが主張されていた女性の強さなのではないか。

そう思ったときに私のなかの引っ掛かりは溶けてなくなり、景色が違って見えるようになった。

 

はろこみのワーママの方たちをみていると、そのエネルギーには目を見張るものがある。

仕事に育児に家事に加え、限られた時間の中で、日々の生活からの気づきや思考、あるいは資産運用やライフハックなどの有益な情報をブログや動画・音声を用いて日々発信されている。

彼女たちは自分のスキルや得意分野での力を、時には迷いながらも余すところなく発揮している。ように僕は感じている。

そして、そのクオリティは僕から見るととても高くて、日々感服の思いだ。

 

さらに、これがまた凄いと思うのが彼女たちには嫌味なところが一切ないのだ。

人間は社会的な生き物であるからして、私が見ている一面だけで判断できない部分はあるが、それを考慮しても嫌味がない。

 

これについては、ある一つの結論めいた仮説がある。

もともとワーママはるさんに引き寄せられた(スピリチュアルではないですよ)者同士、ものの考え方や指向が共通する部分が多く、相性がいいのだろうと思う。

そしてこれが質の高さに繋がっているのだとも思う。

 

ここで本題に戻ろう。

つながりの話だ。

日々の交流を重ねた結果、ゆるい繋がりを繋ぐ糸は増強されているのではないかというのがこの記事の結論である。

生活で困ったこと、悩みや課題があっても周囲に目を向ければ手を差し出してくれる人がいて、頼ることができる。

根本的な解決に繋がらなくても、次のステップへのヒントは何かしら得られると思う。

なんせ糸は張り巡らされているのだから。 

 

そしてこれは悩みや課題の解消に対してだけではない。

QOLの向上、余暇の充実という側面にも当てはまる。

当てはまるどころか、効果は大きいように思う。

 

生活を充実させるための知恵が集まる場所、それがはろこみなのである。

 

最後に

人の世は無常である。

私たちは育児を終えるし、仕事を辞める時が来る。

どのような形かはわからないが、いずれはろこみを卒業するときが来るだろう。

何年先のことかはわからない。

それでもひとつだけわかっているのは、この先サボテンを見るたびに私はさぼってんさんを思い出すだろうということだ。

まるで昔の恋人を思い出すかのように。

その頃にはきっと私がみたあのサボテンもきれいな花を咲かせていることだろう。