カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2024.1.17(水) 買う

店を始めてからというものの、夕食を食べたあと、夜にスーパーへ買い物に行くことが増えた。
翌日以降の食材やらなんやらを買いに行く。
そうすると子どもたちも明日のおやつをリクエストしてくる。
きのこの山がいいだの、プリッツがいいだの、彼らにとっておやつは何よりも大事らしい。
特に次男と娘はいつもおやつと給食の話ばかりをしている。
ちょうど読んでいた庄野潤三の「金木犀」にも似たような話がでてくる。
梨売りの爺さんから一山三十円の梨をたくさん買い込んでくるものだから、冷蔵庫は梨だらけで、主人公大浦の妻は他のものを入れる場所がないと困っている。
そして梨ばかり食べる息子のjことを心配する。

「ほかのことは何も頭になくて、ただただ梨を食べることばかり考えているらしいわ。学校から帰って来ると、いちばんにいうことは、梨、買って来た。何の勉強をしたとか、先生がどんな話をしたというようなことは、何もいわないの。それで、夜、寝る時まで、梨、食べていい? いうことは、それしかないみたいなの。大丈夫かしら」

出典:庄野潤三金木犀」(講談社文芸文庫夕べの雲』所収)

うちの次男のことかと思えて、笑ってしまった。
勉強の方は大丈夫なのかと心配する妻に対して、大浦は、ドーバー海峡の横断競技で優勝した人が、ドーバー海峡を泳ぎながら梨を食べていたというエピソードを披露する。
梨には力があるらしいと。
のんきなもんである。
私もこのおおらかさを見習わないといけないと思ったりするのであった。

今日はプリッツとポテロングを買って来た。