カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.10.1(日) 『海岸公園』

本屋を始めることにした。
小さな本屋を。
昨日が物件の引き渡し日で、これから内装やらなにやら進めていくところだ。

今日は保管してもらっていたテーブルを搬入してもらった。
何もない場所にテーブルだけが来た。

帰りにショッピングモールに寄ってパンを買った。
カルディを通ると、限定のフェルトバッグセットが売られていてかわいかったので購入した。
10/1、コーヒーの日にちなんで商品らしい。

昼、パンを食べる。
サンドイッチは、私の分はすでになく、具の入っていないパンの端の部分が一口だけ残されていた。
仕方なくそれを食べた。
ほんのり卵の味がした。

午後、スタバに行ってみたいという小学生ふたりを、妻がスタバへ連れていく。
子どもらがいないあいだに山川方夫『海岸公園』を読む。
妾の家に移ると言って聞かない祖父と、祖父を自分たちの家に同居させようとする母のの間に立つ主人公「私」の心情が描かれる。
祖父と母の話し合いはまとまることなく大喧嘩に発展する。

私は、自分が捲きこまれ、溺れている家族という一つの沼をみつめた。私は沼に沈み、沼の一部として、しかもその沼を支配しようとしてもがいている。……そのとき、私は、沼の同類としての自分の無資格をさとったのだ。彼女たちは、すでに私に「仲間」をみてはいない。その沼の管理人しか見てはいない。

出典:山川方夫「海岸公園」(講談社文芸文庫ワイド『愛のごとく』所収)

家族への思い、過去の記憶が「私」のなかに去来し揺れる様子が描かれる。

そのとき、私は理解したのだ。一筋の光に刺しつらぬかれた闇のように、ある理解が私はいつもその責任をのがれようとばかりしている。私は卑怯ミレンないやらしい小悪党だ。すべて私のわがままの結果であり、でも私はそれをどうしても認めたくないのだ。他人との連帯を絶ちたくない。

出典:山川方夫「海岸公園」(講談社文芸文庫ワイド『愛のごとく』所収)

全体を通してひりひり、はらはらする。
母と祖父の喧嘩に決着がついたあと、終盤の展開も良い。

本を置き、ボーッとしていると家族が帰ってきた。
この子らが飲めるものがあるのか心配ではあったが、フラペチーノ的な何かを飲んだらしい。
満足そうだった。

f:id:cafeaulait-ice:20231002000709j:image


f:id:cafeaulait-ice:20231002000652j:image