カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.5.6(土)『センス・オブ・ワンダーを探して』、『ホテル・アイリス』

一日中、雨が降っている。
洗濯物が乾きそうにないので、コインランドリーに行くことにする。
乾燥機で20分。
待っているあいだに『ホテル・アイリス』の続きを読む。

読み進めるうちに、めっちゃええ声のおじさんは、ひと癖もふた癖もありそうなことが明らかになってくる。
おじさんはロシア語の翻訳家で孤島でひとりで暮らしている。
一度結婚した妻とは死別している。
いつもスーツにネクタイを締め、パン屋でクレームを入れる姿が目撃されたりして街では評判の変人として通っている。

なんとも謎に満ちているのだ。
ホテル・アイリスで働く主人公マリは、そのおじさんと食事に行くことになる。
海岸通りのレストランに着いたところで、何かの手違いで予約が取れていないことが判明する。
おじさん、ブチギレる。

翻訳家の声は次第に大きくなり、抑えがきかなくなり、最後にはかすれて震え出した。奥からボーイと支配人らしい人が出てきた。客たちが一人残らずわたしたちを見ている。わたしは怖かった。今までに味わったどんな恐怖より強烈だった。だからじっと動かないでいた。不用意に身体のどこかを動かすと、もっと取り返しのつかないことになりそうだった。

そしておじさんは「侮辱するな」と言う。
あの「黙れ、売女」と言い放ったときと同じ響きで。
そして店の予約ノートを床にたたきつける。
このあたりで、とんでもねえおじさんだなと思うわけだけど、マリだけは違う。

怖くて泣いているはずなのに、心の奥では彼が下す命令をもう一度聞きたいと願っていた。

いろいろ歪んでそうな予感がして続きが気になるが、乾燥が終わったのでいったんここで中断となる。

雨はやみそうにない。
帰りにパン屋に寄って昼食用のパンを調達する。
ゴールデンウィーク仕様なのか、品ぞろえがいつもに比べると少なくて、家を出る前に聞いておいた家族5人分の希望をすべて満たせそうにない。
仕方なく、それぞれの好みに合いそうなパンを選ぶ。
どんだけ買うねんってくらい買う。

午後は次男をQBハウスに連れて行く。
1200円から1350円に値上がりしていた。
こちらもゴールデンウィーク仕様なのか、珍しく待ち時間がほとんどなかった。
次男のカットを待つ間に本を読む。
福岡伸一先生と阿川佐和子さんの対談本『センス・オブ・ワンダーを探して』。
子を持つ親として、彼らといかに関わっていくかを改めて考えさせられる。
そして願わくはいろいろな本を読んでほしいなと思う。

私たち生物にとって子ども時代は文字通りそのような揺籃期としてある。子どものときに触れた物語は想像力の射程をのばし、光と闇のコントラストを教えてくれた。喜びと悲しみの深さを示し、文明と文化の意味を考える契機を与えてくれた。

思ったよりも可愛らしい仕上がりになった次男を連れて本屋に行く。


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