カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.5.31(水) 『荒地の家族』

予約していた本が届いていたので、図書館に行ったら休館日だった。
今月2回目の空振りだ。
前回はGWの代休、今回は奇数月末の図書整理日だった。
記憶の限り、今月図書館へ行ったのはこの2回だけなので、全部休館日を引いたことになる。
ゲッツ!アンド ターン!とひとりごちて、踵を返した。

問題。
図書館の休館日は月に8日あります。
Aさんは今月図書館に2回行きました。
そのうち2回ともが休館日だったときの確率を求めよ。

仕方がないので、前回の時同様、自販機でヤクルトを飲んだ。
90円で2本。なぜかお得な感じがしてしまう。

問題。
ヤクルトの1本あたりの価格は40円です。
Aさんは自動販売機で90円で2本のヤクルトを買いました。
どれくらい得をしたでしょう。

予約本の取り置き期限が明日なので、また明日行かねばならない。

予約本をゲッツできなかったので、積読本のなかから佐藤厚志『荒れ地の家族』を読み始めた。
舞台は震災から10年後の宮城県亘理町
厄災の2年後に妻を亡くした植木職人の坂井祐治の生活が描かれる。

道路ができる。橋ができる。建物が建つ。人が生活する。それらが一度ひっくり返されたら元通りになどなりようがなかった。やがてまた必ず足下が揺れて傾く時がくる。海が膨張して押し寄せてくる。この土地に組み込まれるようにしてある天災がたとえ起こらなかったとしても、時間は一方向にのみ流れ、一見停止しているように見える光景も絶え間なく興亡を繰り返し、めまぐるしく動き続けている。人が住み、出ていく。生まれ、死んでいく。

ハードボイルドな筆致で描かれる無常観に背筋が伸びる。
前作『象の皮膚』とも少し違ったトーンに幾重もの重みを感じる。


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