カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.5.16(火) 「レモネード」

電車に乗って街に出かけた。
K氏と待ち合わせのカフェに行く。
集合時刻の30分も前についてしまったので、カフェに併設の本屋(主従逆転かもしれない)で本を物色し一冊買う。
カフェに先に入店して、迷った末アイスコーヒーを注文する。
一番大きいサイズで400円くらいだった。
安すぎるのではないかと心配になった。
ほどなくしてK氏が現れた。
K氏は財布を忘れたと言っていた。
K氏はレモネード(たぶん)を飲みながら、私の構想を聞いてくれた。
店を出た。
夏だった。
電車に乗って帰った。
レモネードには薄切りのレモンが2枚か3枚浮かんでいた。
駅からの帰り道、スーパーに寄った。
息子がアイスを食べたいと言っていたのを思い出した。
ジャイアントコーンの青いの。
青いのを買うついでに黄色いのも買った。
家に帰って冷凍庫で冷やした。
黄色いのを食べた。
冷たい緑茶とアイスの組み合わせは抜群に良い。
麦茶よりも緑茶だ。
息子が帰ってきた。
帰ってきたとたん泣きだした
ランドセルの黄色いカバーを留める紐がなくなったらしい。
代わりの紐を近所の手芸屋に買いに行った。
1mで140円。
大学生がぞろぞろと歩いていた。
もうひとりの息子が紐を拾ってきた。
道に落ちていたらしい。
紐が増えた。
六時の鐘が鳴った。
焼きそばを食べた。
娘はドラえもんの先生のモノマネをしていた。
のぉびぃ、廊下に立っとれ。
レイモンド・カーヴァーの「レモネード」を読んでみた。
悲しみに満ちていた。

レモネード用のレモンなんかじゃなかった。レモンなんて
いらないよ彼はレモンが大嫌いだった——少なくとも
今では大嫌いだ——でも息子のジムはレモネードに目がなかった。
なにしろ大好物だった。レモネードが飲みたいよと子供が言ったのだ。

娘が眠りに落ちそうな頃を見計らって、耳元でささやいた。
のぉびぃ、廊下に立っとれ。
げらげら笑っていた。
ランドセルの紐をなくした息子が聞いてきた。
「おとうさん、秘宝ってなに?」
「秘密のお宝」
「じゃあ、円盤って何?」
「丸いやつ」
「やつって何よ」
「丸い形のもの。丸いやつ」
「だから、その "やつ" ってなによ。じゃあ仮面って何?」
「お面はわかる?」
「うん」
「じゃあそれよ。お面。顔を隠すのにかぶるお面」
むずかしい。
ジョギングした。
川沿いの道を全力で。
嘘。
いつもと同じように淡々と。
スライスしたレモンのような月が浮かんでいた。


f:id:cafeaulait-ice:20230517001610j:image