カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.5.17(水) 『谷川俊太郎詩集』

「ちょっとこれ聞いてよ」
夕ご飯の前に宿題をしていた息子が、算数のプリントを持ってきて言う。
「たけしさんの身長の変化をグラフにしましょう」
折れ線グラフをつくる問題らしい。
1年生、126cm
2年生、132cm
3年生、140cm
4年生、146cm
5年生、158cm
6年生、166cm
ちょっとこれ、たけし、でかすぎじゃない!? とげらげら笑っている。
たけし、成長しすぎ。
うなぎのぼり。
毎日セノビック飲んでそう。
言いたい放題だ。
6年生で166cmは確かに少しでかいように思える。
4年生の息子の身長は、今現在133cmだそうだ。
2年生のたけしと同じだ。
まあ個人差はあるにしても、出題するに当たってこの大きな小学生を持ち出してきたことに、なにかこう意図のようなものを感じる。
大きな小学生、たけし。
ジャイアンじゃないだろうか。
ジャイアンのプロフィールを調べてみると、諸説あるようだが157cmというものがあった。
ジャイアンは小学5年生なので、問題のたけしとは1cmの差がある。
惜しい。
しかしこうも考えられはしないか。
問題のたけしの身長は6年の間に40cmも伸びている。
日々ぐんぐん成長しているのだ。
ジャイアンが157cmを計測した日から、何カ月かのちに計測したら158cmになっていたと。
やはり、このたけしはジャイアンのことなのだ。
そうなると気になるのは動機だ。
なぜジャイアンを例として使う必要があったのか。
なぜジャイアンの身長をグラフにする必要があったのか。
と、いかにもなんだか意味ありげな問いを立ててみたものの、何も浮かんでこなかった。
わかったことといえば、たけしはまだまだ大きく成長しそうだということくらいだ。
ジャイアンの身長が157cmだという知識が増えた。
今日も日が暮れていく。

いつもとかわらぬ ゆうぐれである
あしたが なんのやくにもたたぬような

引用元:『谷川俊太郎詩集』(岩波文庫)



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