カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.4.13(木) 『街とその不確かな壁』


地方に住んでいると、発売日に本を買うことができない。
早くても1日、通常で2日遅れになる。
発売日にその本を手に入れたければ、amazonなどのネットを使うしかない。
よほどのことがない限り、本の購入にamazonは使わないと決めているので、やはり発売日に手に入れる方法はない。
発売を楽しみにしていた本が、SNSなどアップされている様子を見ると複雑な気持ちになる。
地方民の哀しき運命だ。

本日は村上春樹の新刊『街とその不確かな壁』の発売日だで全国一斉発売ということらしい。
出版社と書店に感謝しつつ最寄りの書店に買いに行く。
足を踏み入れると、最初に目に付く場所に大きく展開されていた。
その横には昨日発表となった本屋大賞のコーナーも出ている。
hontoの115万円分キャンペーンも今日からスタートだ。
本の話題が盛り上がるのはいいことだ。

そういうわけで、発売日に『街とその不確かな壁』を手に入れ、さっそく読み始めた。

そもそも、この作品は1980年に文芸誌『文學界』に発表した中編「街と、その不確かな壁」の書き直しということでファンのみならず、各方面からの注目度も高い。
街と、その不確かな壁」は村上作品の中では唯一、単行本に収録されていない。
そののちに、これをもとに別の物語へと書き換えられたのが『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』だ。
私は、「街と、その不確かな壁」を読んだことがないし、あらすじ自体も知らないので、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』にしても、今作『街とその不確かな壁』にしても、どのように変奏しているのかわからない。
だから、ここは先入観をなるべく排して読み進めたいところだ。

今日は最初の20ページほど読んだ。
ここまでで抱いたのは、なるほど『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』世界の終わりパートの語り直しなのだなということだった。
世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』で村上は、エンディングを数パターン用意したらしい。
そのなかから選んだエンディングについて、「これしか考えられなかった」と何かのインタビューで言っていたことを記憶している。
このまま『世界の終わりハードボイルド・ワンダーランド』の筋を辿るのであれば、その辺も注目したいところだ。