カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.12.29(金) 間違える

そろそろ目的地の駅に着くころだと思って時計を確認する。
到着まであと2分だ。
しかしなんだか違和感がある。
もう間もなく到着かだというのに、電車は一向に速度を緩める気配はない。
それどころか加速しているようだ。
おかしい。
窓の外に目をやる。
見たことのない景色だ。
遠くに沈もうとしている夕陽はきれいだ。
そこで気がついた。
乗る電車を間違えた。

時間を少し巻き戻す。
今日は妻の実家がある大阪に帰省してきたのだった。
新大阪に着いたのが13:30。
そこから在来線に乗り換え、妻の実家の近くの駅を目指した。
途中、私だけ離脱し別行動となった。
私以外の家族は先に義実家へ行ってもらい、私は大阪・本町を目指した。
目的地はtoi books。
かねてより行ってみたいと思っていた本屋で、今日は時間もあるしちょうどよかった。
15:00頃到着し、店内をゆっくりみたあと何冊か本を購入した。
店主のI氏にご挨拶をし、いろいろとお話しする。
実践的な知見も授けてもらい帰路に着いた。
本町から難波へ移動し、近鉄電車に乗る。
妻の実家の最寄り駅を目指す。
途中で普通から準急へ乗り換える。
ここで間違っていたのだ。
乗り換える電車を間違えてしまったことに、沈みゆく夕陽を見ながら思い至った。

乗ってしまった電車は急行電車のようで、何駅も通過していく。
やっと停まったところで降り、乗っていた電車の行先を確認すると伊勢中川行の急行だった。
このまま気づかずに乗っていたら、伊勢まで行き、年も明けていないのにお伊勢さん参りとなるところだった。
逆向きの電車が来るまで少し時間があったので、ホームにあった自販機でパイナップルジュースを買う。
ベンチに座ってゆっくり飲む。
ちょうど飲み終わった頃に電車が来た。
今度はしっかりと行先を確認し乗り込んだ。
陽はまだ残っていて、空はオレンジ色に染まっていた。