カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.8.17(木) HORACE PARLAN TRIOを聴く、『GO』を読み、『GO』を観る

妻と子どもたちが義実家へ帰省するため、広島駅に見送りに行く。
台風の影響で当初の予定から二日ずれ込み、なお今日も朝から遅延が発生していたようだ。
のぞみ200号が二つ走っていたというミステリーのような事例も見かけた。
ここまでの大混乱も珍しい。
みどりの窓口、券売機、お土産売り場、コンビニ、改札の内外、どこもかしこも人だらけでいつになったら落ち着くのだろうか。
幸い妻たちが乗る新幹線は、広島駅が始発の便だったため定刻通りに発車とのことだ。
お土産のもみじ饅頭を買い、車内で食べる弁当を買い、お菓子を買って、改札の所で見送った。
無事に到着することを祈る。

さて、せっかく広島駅まで来たのならばと、ふだんは行かないところへ行こうと蔦屋家電・蔦屋書店へ行ってみる。
音楽コーナーの中古レコードを物色し、久しぶりにレコードを買う。
HORACE PARLAN TRIOの『PANNONICA』。
ジャケットが良い。
レコードほどジャケ買いのよく似合う商品はないだろう。
HORACE PARLANと言えば、金城一紀『GO』を思い出す。
主人公杉原がヒロインの桜井と初めてのデートでCDショップに行き、互いにオススメのCDを薦めあったうち、桜井から薦められたのがHORACE PARLANの『Us Three』だった。

桜井が僕に薦めたのはホレス・パーランというジャズ・ピアニストの『アス・スリー』というCDだった。僕はジャズをほとんど聴いたことがなかった。
「お父さんがジャズが好きでね、子供の頃からよく聴かされたの」と桜井は薦める時に言った。「これ、すっごくカッコいいよ」

引用:金城一紀『GO』(新潮文庫)

その日の夜、杉原は眠りにつくまで3回、『アス・スリー』を聴く。
この『アス・スリー』はほんとにかっこいい。
パラパラと、小説を見返しているうちに、懐かしくなり映画も見たくなってきたのでAmazonでレンタルして観てみた。
これを観た高校生当時の、鬱屈としてアンニュイな感覚が甦ってくるようだった。
映画も本と同じように記憶を呼び起こす装置として機能するんだなと改めて感じた。
若き日の窪塚くんはかっこよくて、柴咲コウはキュートだった。
脚本が宮藤官九郎だったのは知らなかった。
いや、知っていたかもしれない。
どっちでもいい。
いい映画であることに変わりはないから。


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