カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.12.16(土) 書く

八時ちょうどののぞみ86号で私は私はあなたから旅立ちます。
狩人な気分で、広島を発つ。
行先は晴れの国、岡山。
岡山駅で在来線に乗り換え、目的地を目指す。
雨こそ降っていないものの、岡山の空は雲に覆われている。
予報では雨は降らなさそうなので少し安心する。
今日は岡山市が主催する文学講座のワークショップに参加するために岡山に来た。
講師を務めるのは小説家の乗代雄介氏で、今日は10月から開催されている連続講座の二回目の会になる。
「風景を書く」というワークショップの講師を、徹底した風景描写にこだわる乗代さんがやるというとんでもなく贅沢な内容のものだ。
乗代雄介直伝の風景描写講座が、全三回で参加費無料と。
参加しない理由があるとしたら聞いてみたい。

二回目の今回は、初回の「岡山城を書く」というお題で書いた文章を乗代先生が抜粋し、コメントしていくところから始まった。
ここだけでも豊かな時間となった。
それぞれの文章はどれも味があり、うならされるものばかりで参加者のポテンシャルの高さに驚かされた。
このような講座に参加するからには、少なからず文章への意欲や関心を持っている人が多いとはいえ、こんなにもレベルが高いとは。
世界の豊かさを実感する時間だった。

座学の講座が終わると、次は実践となる。
目的地を目指し2.5kmの道のりを参加者全員で歩いた。
河川敷を30人でぞろぞろと歩いているだけで、なんだか楽しい気分になってくる。
明日からの急激な気温の低下を前に、比較的良い気候の中を歩くことができたのも幸運だと言えよう。
目的地の広場までたどり着くと、私たちはそれぞれの場所に陣取り、小一時間、目の前の風景をノートに写し取った。
もちろん文章で。
風は強いし、途中雨が降り出す場面もあったが、「それもまた醍醐味」とは乗代先生の弁だ。
再び、拠点にもどると今度はいま書いたばかりの風景スケッチをもとに推敲し、文章を編む作業にはいった。
みんなの真剣に取り組む姿勢に刺激を受けながら、文章を完成させた。