カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.5.26(金) 中丸くんについて語るときに私の語ること

KAT-TUNの中丸くんが漫画家としてデビューするというニュースに、驚いたのと同時に少しうれしくなった。
中丸くんのことを思い出すとき、私はAちゃんのことを思い出す。

Aちゃんは大学のサークルの後輩で、私が二回生の時に新入生として入ってきた。
控えめに言っても美人で気立ても良く、まじめで頑張り屋、誰からも好かれるタイプだった。
おまけに歌がめっぽう上手くて、軽音サークルのDIVAとして多くの人びとを魅了した。
恋愛に関しては恋する乙女な一方で、自分に対する自信が持てず、常に悩みを抱えていた。
普通にしていればモテてモテてしょうがないタイプなのだと思うけど(実際、多くの男性からアプローチを受けていたはずだ)、実りある恋をしているようには見えなかった。
なんども悩みを相談され、出口のない迷路をともにさ迷った。

そんなAちゃんが好きだったのがKAT-TUNで、推していたのは中丸くんだった。
当時、KAT-TUNはCDデビュー前で、私含め周囲の人たちは、正直誰もKAT-TUNのことを知らなかった。
AちゃんはKAT-TUNや中丸くんのことだけでなく、ジャニーズのオタク事情についても啓蒙することで、私たちは少しばかりジャニーズに詳しくなったし、中丸くんへの愛着も湧いてくることとなった。
そういう意味ではAちゃんの功績は大きい。
ただ誰もが疑問に思っていたのは、なぜ中丸くんなのかということだった。
AちゃんがKAT-TUNことを語れば語るほど、なぜ赤西や亀梨ではなく、一番地味な(失礼な言い方でごめんなさい)中丸くんなのだと思うようになったし、周囲がそう思えば思うほど、Aちゃんは中丸くんの魅力を熱弁した。
その認識は、在学中に覆ることはなかったけれど、私たちのなかではAちゃんと言えば中丸くんだったし、中丸くんといえばAちゃんだった。

やがてKAT-TUNはひとり抜け、ふたり抜け、3人になった。
中丸くんはメンバーの一員としてKAT-TUNを支えているだけでなく、最近では家事のTV番組までに活躍の場を広げている。
私たちの誰もが思っているはずだ。
Aちゃんは正しかったんだと。
Aちゃん、ばかにしてごめんと。

そういうわけで、中丸くんの漫画家デビューというニュースは私と、そしてかつてキャンパスライフを共にした私たちに、驚きと感動をもたらしたはずだ。
しかも7年の下積みを経てのということだからなおさらに。

数年前に年末帰省のタイミングで、Aちゃんと会う機会があった。
Aちゃんは持ち前のコミュニケーション力と根性を発揮しながら、仕事を頑張っているようだった。
相変わらず恋の悩みは多いようだったけど、それがまたAちゃんらしかった。
最近ではインスタグラムのストーリーで、身体を鍛える様子を拝見するくらいだけど、きっと中丸くんの漫画家デビューを喜んでいるのだと思う。
そう思うと、こちらも少し嬉しくなってくるのだった。