今日は『新潮 2024年6月号』から川上未映子「わたしたちのドア」を読む。
こちらも「春のみみずく朗読会」用に書き下ろされた新作。
春は、すべてが青くなりすぎるまえに夜がくる。
読むと、あの日の川上未映子の朗読が脳内で再生される。
人は急に、いなくはならない。いなくなる人は、長い時間をかけて、じつは少しずつ自分のなかからいなくなっていて、いなくなった自分がどんどんふくらんで、最後はそれに押しだされて、自分でもそうとは知らないうちに、本当にいなくなってしまう。
川上未映子「わたしたちのドア」
優しい慈愛に満ちた声で語り掛けてくれるようだ。