午前中のうちに買い物に行く。
南東の空にはおどろおどろしい雲が立ち込めている。
台風でも来たかのようだ。
そう思っているうちに風が強く吹き出し、雨も降りだした。
本当に台風のようだった。
急な雨は困るのだけれども、雨に降られた人たちはみんなどこか楽しそうだ。
スーパーで昼食用のそばを選ぶ。
今日はいつものとは違うものにしてみようと思った。
ふんぱつしてちょっと高いそばにした。
「奮発」ではなく「ふんぱつ」と書いたのは、今読んでいる本に出て来て、珍しいなと思うと同時にちょっといいなと思ったので真似をしてみたのだ。
帰ると門前に置き配の荷物が届いており、あたらしいフライパンだ。いま使っているものがぼろぼろでこびりつきもひどいので評判の良いものをすこしふんぱつして買った。
引用:古賀及子『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(粗粒社)
「奮発」よりも「ふんぱつ」のほうが奮発した感が出ている。
ふんぱつして買ったそばは、いつもより少し美味しく感じた。
『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』は著者の古賀さんとお子さんの日常を描いた日記エッセイ。
日々の暮らしの中のささやかなエピソードが、愛情あふれる筆致で面白おかしく綴られる。
何気ないちょっとしたユーモラスな一文が良い。
体はコンビニに入っていった。体には逆らえない。冷やし中華を買って帰って自宅で食べた。
引用:古賀及子『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(粗粒社)
冷やし中華の話が出てきたところで、そういえばこの夏は一度も冷やし中華を食べていないことに気がついた。
理由は単純で、そばばかり食べていたからだと思う。
冷やし中華のない夏も立派な夏だということを、身をもって証明できたと思う。
今日はジョギングの前にちょっと踊ってみた。