カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.9.5(火) あいすまんじゅう。『会話を哲学する』

今日もまた、やんごとなき事情によって、アイスを食べなければいけない状況に追い込まれた。
午後、外出の予定があり、車で出かけるつもりであった。
家を出ようとしたとき、ぽつぽつと雨が降り出した。
ああ、雨が降ってきたけどまあたいしたことないかあ、とのんきなことを思ったその刹那、ぽつぽつ雨はどしゃ降りに変わった。
激しい。
外出をためらうほどの激しさだ。
しかし、約束があるため外出は避けられない。
そもそも車で行くつもりなのだから、多少雨が降っていようがかまわないじゃないか。
そう思うかもしれない。
そうではないのだ。
娘の幼稚園のお迎えの時間が迫っている。
私が車で行ってしまえば、妻と娘をこのどしゃ降りの中、歩かせることになってしまう。
そんな非常なことができようか、いやできまい。
国語の授業で習った「反語」はこういうときに使うのだなと思い知った私は、その反語的精神で覚悟を決めた。
歩くのは私だ。
車を置いて行こう。
そうして私はどしゃ降りの中、傘をさして駅に向かって歩きはじめた。
雨の激しさに水はけが追いついていない道を歩き、ものの数分で足元はずぶぬれになった。
しばらく歩き、駅についた。
これから電車に乗る人はみなびしょぬれで、電車から降りてきた人は、雨宿りをしている。
駅前では何かの中継か、雨の中撮影している人たちがいた。
こんなピンポイントなタイミングで気の毒だった。

電車の中であれば雨の影響はない。
気を取り直して本を読む。
三木那由他『会話を哲学する』。
会話という営みについて、コミュニケーション、マニピュレーションの観点から考える本だ。
小説や漫画などフィクション作品を題材にしながら、会話とはなんぞや考えていく過程が面白い。

電車を降りる。
まだ雨は激しく降り続いている。
目的地までまたびしょ濡れになりながら歩いた。

用事を済ませ外に出ると雨が上がっていた。
帰りの電車でも続きを読んだ。

駅から家までの途中、スーパーに立ち寄った。
さんざんな目に遭ったので、アイスを買うしかなかった。
天気によってマニピュレートされたとしか言いようがない。
あいすまんじゅうを買った。
雨上がりの夕方、何年振りかに食べたあいすまんじゅうは格別なものがあった。
夏の終わりを感じた。


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