カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.6.28(水) 『ハンチバック』

ちょっとした用事があったので街に行く。
用事を済ませ、本屋に寄ろうとしたら雨が降り始めた。
激しく降り始めた。
雷も鳴りだした。
たぶん近くに落ちた。
車から降りるのが億劫になってきた。
電話が鳴った。
妻からだった。
幼稚園のお迎えにいったが、雨が降り出して歩いて帰れないと。
幼稚園の近くのショッピングセンターまで迎えに来てくれないかという電話だった。
本屋に行くのをあきらめ迎えに行った。
妻と娘はフードコートでポテトとうどんを食べながら待っていた。
私もついでにうどんを食べた。
帰る頃には雨が上がっていた。

 

7月に発表される芥川賞の候補作、市川佐央『ハンチバック』を読んだ。
文學界新人賞を受賞し、『文學界』に掲載されたときの沸きぶりが記憶に新しいが、なるほどすごい作品だった。
主人公は指定難病ミオチュブラー・ミオパシーという疾患を持つ女性で、両親の遺産と自らの資産であるグループホームで生活している。
お金に困ってはいないものの、いわゆるコタツ記事のライティングを請け負い、その報酬はすべて寄付する一方で、性的な欲望をネット上に投稿している。
ある日、グループホームで入浴介助を担当した職員とのやりとりから、思わぬ展開をみせるストーリー。
作中、読書に関してドキッとする描写があったり、疾患に関してのリアルな描写があったりと、ずっと何かを突き付けられているような感覚だった。


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