カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.7.26(水) スーパイコ、下から食うか?横から食うか?

俺の名前はスーパイコ。
すっぱい豚だ。
俺のことを酢豚と呼ぶ者もいるが、どちらかといえばスーパイコのほうがしっくりきている。
だから俺はスーパイコと名乗る。
スーパイコだろうが酢豚だろうが、ただのすっぱい豚であることに変わりはねえ。
どちらにしろ些末な問題だ。
すっぱい豚だって、ただの豚さ。
ただ俺はスーパイコでありたいと、そう思っているだけのことだ。
どうしても納得がいかねえって言うんだったら、そんなお前にはこの詩を贈ろう。

 酢豚、酢豚、五却のすりきれ 、海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末
 食う寝る処に住む処 藪ら柑子の藪柑子
 パイナップル、パイナップル、パイナップル on the パイナップル
 シューリンガングーリンダイ
 グーリンダイのパイナッポーのポンポコナー
 超すっぺぇし、超美味ぇ

俺がどうやってこの世に生まれてきたのかって?
簡単なことだ。
まずは豚肉を用意しろ。
しょうゆ、酒、にんにく、しょうが、このへんを適当にふりかけて味をつけるんだ。
野菜も用意してくれ。
いくら豚だといったって、豚だけでは成り立たない。
コンビネーションが必要だ。
たけのこ、玉ねぎ、ピーマン、にんじん、これだけあればじゅうぶんだ。
しいたけなんかがあってもいいだろう。
いい出汁が出る。
にんじんは堅いからさっとゆでた方がよりいいかもしれないが、好きにしてくれ。
それから、もうひとつ大事なものを忘れていた。
南国のトロピカルフルーツ、パイナップルだ。
巷ではこのパイナップルを入れることに賛否両論あるらしいが、俺の見解は言うまでもない。
おい、俺の筋肉!そうだろう?
パイナップルを入れることで、俺の筋肉はいい具合にしなやかに、柔らかくなるんだ。
もしもスーパイコにパイナップルを入れたくなければ、それでいい。
そのまま食べれば極上のデザートだ。
トロピカルな気分を味わってくれ。
パイナップルへの賛辞はこの辺にして、次にいこうじゃないか。
まだまだ道半ば。
俺の前に道はない。
俺の後ろに道はできる。
具材の準備ができたら、次は豚肉を揚げるんだ。
片栗粉と卵と水を混ぜて衣を作ろう。
子どもじゃねえ、衣だ。
避妊はしっかりするほうだ。
坊主、頭に叩き込んどけ。
そんなことはどうでもいい。
衣だ。
豚肉に衣をつけて油で揚げるんだ。
温度は170℃くらいでいい。こげちまうからな。
豚肉が揚がったら次はフライパンを用意してくれ。
パンはパンでも食べられないほうのパンだ。
豚は豚でもすっぱいのはスーパイコ。
パンはパンでも食べられないのはフライパンと昔から相場は決まっている。
いよいよ味付けに入るぞ。
さっき切った野菜をフライパンで炒めるんだ。
水、鶏ガラスープ、砂糖、しょうゆ、酢、ケチャップをぶっこめ。
水溶き片栗粉でとろみをつけたら、豚肉とパイナップルを投入してサッと混ぜ合わせろ!
あっというまにスーパイコだ。

いいか、今おまえさんは、ひとつのスーパイコを打ち上げた。
あとは下から食うか?横から食うか?それだけだ。
そしてそれは、おまえさん次第だ。