カフェオレの泡

浮かんでは消えていく泡のようなもの

【読書日記】2023.6.6(火) 『ウエハースの椅子』

棒が一本あったとさ
葉っぱかな?
葉っぱじゃないよ カエルだよ
カエルじゃないよ アヒルだよ
6月6日に
雨がザーザー 降ってきて

ということで6月6日、雨。
雨の中、妻とふたりで次男の授業参観へ行く。
この3年間は学年別の日程で、出席番号の前半、後半でグループ分けがあって1、時間の授業を半分ずつ入れ替えで行われてきた。
今回の参観から、学年・クラスで日にちの分散はあったものの、入れ替えなしのフルタイム参観となった。

意外だったのは、父親の参観者が意外と多かったことだ。
クラスのなかで、私以外に4人もいた。
他のクラスにでもちらほらいたようで、いい傾向だなと思った。

授業の内容はというと、図工で紙を使った工作をしていた。
次男が作ったのはサメとおばけで、おばけはいい味を出していた。
他の子たちの作品を見てみても、バラエティに富んでおり、個性が溢れていた。

45分の参観を終え、雨の中を帰った。

 

江國香織の小説は雨の日によく合う。
積読のなかから『ウエハースの椅子』を選んだ。
実に3年以上の積読を経て、ついに読み頃を迎えた(と勝手に解釈する)。

38歳、画家の主人公が絶望と付き合いながら恋愛をする様子が描かれる。

ウエハースの椅子は、私にとって幸福のイメージそのものだ。目の前にあるのに——そして、椅子のくせに——、決して腰をおろせない。

性別が違うせいか、江國の描く女性に共感をおぼえたり感情を移入したりすることはあまりないのだけれど、それでも心に染み入ってくる寂寥のような感触はさらっと流せない。

私にとって、人生は運動場のようなものだ。入口も出口もなく、無論どこかにはあるのだろうが、あってもそれに意味はない。無秩序で、前進も後退もない。みんなただ運動しているだけだ。私はそこで、途方に暮れている。

私もまた、途方に暮れるひとりなのかもしれない。


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